孤独なカラスのラノベ備忘録

勝手気ままにラノベの感想を書き連ねるだけのブログです。

とある飛空士への追憶

 

とある飛空士への追憶 (ガガガ文庫)

とある飛空士への追憶 (ガガガ文庫)

 

 ~あらすじ~

「美姫を守って単機敵中翔破、1万2千キロ。やれるかね?」レヴァーム皇国の傭兵飛空士シャルルは、そのあまりに荒唐無稽な指令に我が耳を疑う。
次期皇妃ファナは「光芒五里に及ぶ」美しさの少女。そのファナと自分のごとき流れ者が、ふたりきりで海上翔破の旅に出る!?
...圧倒的攻撃力の敵国戦闘機群がシャルルとファナのちいさな複座式水上偵察機サンタ・クルスに襲いかかる!
蒼天に積乱雲がたちのぼる夏の洋上にきらめいた、恋と空戦の物語。

 

 

ただの飛行機乗りと一国の皇女が出会い、恋に落ち、そして離れ離れになるまでを描いた、一夏の物語。
「貴様にひとつ、重大な任務を託したい」
「次期皇妃を水上偵察機の後席に乗せ、中央海を単機敵中翔破せよ」
物語は、主人公シャルルが『姫を無事に許婚の元に送り届けろ』という任務に着く所から始まります。
総飛距離1万2千km。敵の追撃を躱しながら華麗に水上偵察機を操るシャルル。
数日のフライトの中で、シャルルと皇女フィナは徐々に心を通わせていき、やがて二人は報われないと分かりつつも恋に落ちていくーー
身分違いの恋!報われない思い!あーいいなぁ!!
それでもひたすらに目的地を目指して飛び続けなくてはならないのです……うぅ。
さらに二人の過去が涙を誘うんですよね。
空戦描写も素晴らしいです。美しい空と雲を背景に、華麗に舞う偵察機サンタ・クルス。追撃戦はまさに激闘でした。
何度も美しい空が登場し、物語を盛り上げますね。
二人は、長いようで短かったフライトの果てに、ついに目的地にたどり着きます。
身分違いの恋の結末は悲しい結末なんだろうと思っていましたが、こんなにも美しく締めくくるとは思いませんでした。最高の読後感です。
うーん、もっと早く読むべきだったね!