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孤独なカラスのラノベ備忘録

勝手気ままにラノベの感想を書き連ねるだけのブログです。

放浪勇者は金貨と踊る

ファンタジア文庫

 

 ~あらすじ~

勇者が魔王を倒して、世界は平和になりました―では終わらなかった。人類の“敵”が消えて『暴力』の時代から『金』の時代が訪れる。商業都市ファルトラの片隅、素性を隠して放浪していた勇者は、詐欺にあった亜人の少女ユニスと、その相談に乗っている女騎士レイチェルと出会った。仕方なく助けることにした彼は、淡々と言い放つ。「…法も剣も無力だってんなら…騙した悪党を騙し返せばいいだろ」魔王を倒した勇者の新たなる敵は、金に憑りつかれた人間たち!そして、さらに街を揺るがす巨額な詐欺へと挑むことに…!?『金が全て』となった異世界の、金貨を巡る英雄譚、開幕!

 

 

馬鹿正直な少女×頭の切れる主人公の鉄板タッグ!

主人公の華麗な手口、それにオーバーリアクション気味に驚くヒロイン、という構図はこの手の知略モノの様式美ですね。面白かったです。

内容。魔王を倒して職を失った放浪勇者が気まぐれに詐欺師を懲らしめて少女を救います。

もう魔王が倒されていて、魔王についての描写なんてほとんどなし。ファンタジーにはお決まりの剣と魔法も出番は少なめ。お金こそが物をいう世界で勇者は果たしてどう生きていくのか――という一風変わったファンタジー世界。

言葉での駆け引き、契約とかがテーマでしょうか。

ストーリー展開的には勧善懲悪系、悪いことをしている詐欺師どもに正義の鉄槌(借金)を下す!という痛快なお話です。

そこにうまく『勇者』という要素が絡んできます。

たとえば、困っている人を見捨てられない性質。魔王を倒し平和になっていると思い込んでいた勇者が、『魔物』というモンスターから『詐欺師』というモンスターに標的を変えて再び活躍する、というのが新鮮に感じられて面白かったです。

元仲間も登場。シャノワールがかわいそうで仕方ないです。救われてほしいなぁ。

ほかにも過去に起きた人魔戦争の回想もちらほら見えていたりと、今後さらなる世界観の広がりを見せてくれそうです。

ただ、最後の最後で力技に走ったのがもったいなかったかなと。

なんでそこでブレたのよ!それじゃ普通のファンタジーだよ!と思ってしまいました。

個人的には青竜眼の件のような決着を期待していたのでちょっと残念。

文章はライトで読みやすく、さすがむらさきゆきや先生!というところです。

次回はどのように騙してくれるのか、楽しみです。