異世界迷宮の最深部を目指そう 3
~あらすじ~
激しさを増す《天上の七騎士(セレスティアル・ナイツ)》によるラスティアラの奪還計画。
このパーティで最深部を目指そうと考えるカナミだが、突然ラスティアラがフーズヤーズに帰ってしまったことにより途方に暮れてしまう。
そこへパリンクロンがラスティアラを救う方法を持ちかけくる。だが、マリアの様子もまた変わり始めていて――。
いよいよ幕を開ける聖誕祭。ラスティアラの死期。マリアのカナミに対する恋心。恋を成就させたいアルティ。《天上の七騎士 》との決闘。忍び寄る『???』の影。
様々な思惑が絡んだ聖誕祭が幕を開け――
そして全てが清算される。
第一部の集大成ともいうべき盛り上がりでした!一気にこの作品の魅力が増しましたね......!
2巻の引きからずっと気になっていましたが、想像以上のモノがやってきた、という印象。
ここから先、ネタバレは含んでいないつもりですが、まっさらな知識のまま読みたい方は回避推奨です。
激熱のラスティアラ奪還作戦。
次々と襲い来る《天上の七騎士》をなぎ倒しヒロインのもとへ駆けつけるカナミ。
ヒロインの心を動かしてこその主人公!
ヒロインの「助けて」に応えてこその主人公!
そして囚われの姫を掻っ攫うんですよ.....イケメンだ。
国の重鎮たちを前に一歩も引かずに演説し、騎士の心を揺さぶってみせたカナミには痺れましたね。
本当にいい主人公だと思います。目的意識がはっきりしており思慮深い性格だけど、うちに潜むスキル『???』に振り回され、どうしようもなくなってしまうことも。
戦闘能力はあるけど精神がついてこない、という感じでしょうか。
ここら辺は、現実離れした強さとのバランスがとられていて良いですね。
体の中に正体不明の機能が存在しているなんて怖すぎる。
脇役だと思っていたハインさんもかっこよかった!
「ようやく胸を張って言える!私はお嬢様の騎士だ――!」
ここ好き。ずっと自分の選択を後悔してきたハインが、ついに自分の気持ちに正直になれた瞬間。男を見せました。
そうして無事にすべて解決し、物語はハッピーエンドに......
向かわない!
後半からが本番だ、と言わんばかりの急展開。
前半が『光』なら後半は『闇』。真っ暗。
シリーズを通してどこか拭い去ることのできなかった違和感と不安は、聖誕祭をもってついに破綻。
見て見ぬフリをしてきたツケはあまりにも大きく、その代償は利子を伴ってその身に帰ってくる。
こんなん精神崩壊するわ。『???』、やってくれるよ本当に。
そして今回一番の見どころ。マリア!
カナミに依存しすぎたマリアは、嫉妬と愛憎の果てについに壊れてしまう。
だんだん正常な判断ができなくなっていって、堕ちていく姿を見ているのは辛い......辛いけどゾクゾク来ちゃう!
ぶつかり合う炎と氷。ようやく最後にやっと本心で語り合えた瞬間は心から安心しました。
安心、していたのに......
ここで終わればハッピーエンドなんだけどなあ!終わんないんだよなあ!
最後の最後で絶望に叩き落され、そしてゲームオーバー。リザルト。
カナミは何を間違えてしまったのか。どうすれば最良の結果をつかむことができたのか。今更考えても失ったものは帰ってこない。
後悔し、しかしその思いは果たされることなく消え去り、物語は第二部へ突入する――
この状態で4巻発売を待て、と?
無理。
WEB版読みに行ってきます。