孤独なカラスのラノベ備忘録

勝手気ままにラノベの感想を書き連ねるだけのブログです。

東京侵域:クローズドエデン 01.Enemy of Mankind (上)

 

 ~あらすじ~

“東京”が変貌して2年―高校生の秋月蓮次と、大人気アイドルの弓家叶方には二人だけの秘密があった。二人は“臨界区域・東京”に侵入する“侵入者”だったのだ。エリア限定の特殊能力“注入”を使って探索を続ける蓮次と叶方。敵対する政府機関“救務庁”と、エリア最悪の怪物“EOM”との三つ巴の状況で、蓮次と叶方は誓いあった“約束”を果たすことができるのか!?人類vs.人類の敵―希望と絶望のボーイミーツガール始動!!

 

 

作者さんの前作は読んでいないのですが、これは非常に面白かったです。この緊迫感、たまりませんね。

異空間化した東京を舞台に、非正規ルートから侵入を続ける侵入者《レイダー》の少年少女を描くバトルアクション作品。

敵――EOMはいつ襲ってくるのかわからず、さらには馬鹿みたいな強さ。対抗種の"切り札"も時間制限+回数制限。そして迫るタイムリミット。

こんなのムリゲーすぎる、と投げ出したくなってしまうような状況の中、二人はあきらめずに奮闘するわけです。

大切な人を失った同じ境遇の二人が絶望を乗り越えて戦う、このカタルシスが素晴らしいですね。大好き。

『東京』や『ショット』の設定、ヒロインが表ではアイドル活動をしているをしていたり、面白い設定も盛りだくさん。これはぜひシリーズ化してほしいです。

今回は上巻でした。いいところで終わって、気になる伏線も残したままです。下巻早くでないかな!

 

リーングラードの学び舎より 1

 

リーングラードの学び舎より 1 (オーバーラップ文庫)

リーングラードの学び舎より 1 (オーバーラップ文庫)

 

 ~あらすじ~

最強の術式師、教師になる! ?

「お前、教師になれ」
内乱から立ち直りつつあるリスリア王国で、ある1つのプロジェクトが始まった。
「義務教育推進計画」と名付けられたこの計画は、貴族も平民も同じ学び舎で教育を行うという、それまでの常識を覆すものだった。
かつて内乱に王国屈指の術式師として参戦していたヨシュアン・グラムは、王の勅命によって学園の教師に任命されてしまう。
しかも担当するクラスには貴族の娘から不思議系エルフ娘まで、個性的な5人の生徒が集まっていて――
WEB小説大賞「大賞」受賞の異世界ファンタジー教師物語、授業スタート!

 

 

クセは強いですが一度受け入れてしまえばこの主人公、かなりいいキャラしていて楽しいです。他の教師陣や生徒たちも個性豊か。

始まったばかりの「義務教育推進計画」。その教師に任命されてしまったヨシュアンは、生徒たちとの『授業』を通して自分も少しずつ成長していきます。

魔法の仕組みやヨシュアンの過去などがよく練られていて、物語に深みがあっていいですね。これからの展開にも十分に期待できます。

地の文はですます調なのにやってることはかなり強烈な主人公。ギャップがあって読んでいて飽きないし、生徒たちとの掛け合いも好きです。

「信じるなら自らの意思で、願わくば我が生徒たちもまた同じであれかし」という文章が心に響きました。面倒くさいなどと言いつつもいつも生徒たちのことを気にしているヨシュアン先生かっこいいです!

個人的には楽しめましたが、前述の通りクセが強いように感じました。また、400ページ近くあるのはちょっと疲れを感じてしまうかも。

どうやらまだ導入のようなので、2巻に期待したいと思います。

 

 

 

 

絶深海のソラリスII

 

絶深海のソラリスII (MF文庫J)

絶深海のソラリスII (MF文庫J)

 

 ~あらすじ~

《ランド・デイ》それは、上陸の日。そして、大海害と並ぶ人類史上最大の災悪が始まった日でもある。『大阪事件』以降その存在が明らかになった未知の危険深海生物アンダー。連邦海軍対アンダー専門の特殊部隊《CHAF》に所属するシャロン=ナイトレイは、深い海の底で死の危機に瀕していた。しかし、その時不意に声が聴こえる――「“最愛の妹”の死の真相を知りたくはないか?」と。シャロンを助けた謎の人物はさらに彼女に告げる。我々の任務は「“切り札”山城ミナトを確保すること」だと。【深海】×【絶望】戦慄の本格パニックノベル待望の第2巻。「クロエが悲しむって、本当よ……ああ見えて、あの子とても心配性だから」

 

 

あー、さてはこれ、めっちゃ面白いやつですね......。

1巻で『インパクト』という武器を振り回して、読者を強かにぶん殴ったこの作品ですが、2巻はそのトラウマを最高の形で利用してきました。

希望をちらつかせての絶望。絶望一色かと思いきや、突然生まれる希望。うまいです。

さて内容。世界にケンカを売ったミナト君が新たに登場した秘密組織やクーデレちゃんとともに新たな事件に巻き込まれます。

以下ネタバレありありでお届けします。ご注意を!

 

いやー、騙されましたね。まんまとやられましたね。

普通に途中まで「もうだめだ......この世界に救いはねえ......」って思いながら読んでました。

まさかの『フェイク』!やった!希望はあったんだ!

怪物たちを前にしても全く動じなくなってしまったミナト。同じくふさぎ込んでいたシャロンやアイシュ。彼らがだんだんと前を向けるようになる描写は思わず目頭が熱くなりました。本当、良かった......。

最後のシャロンか反則でしょ!ありがとう、クーデレ!

クーデレは世界を救うのだ!

これだけ希望に満ちた終わり方だと、3巻が怖いです。『1巻』という前科がありますからね? 2巻がハッピーエンドだったからと言って信用してはいけませんよ。

ということで、全力で身構えつつ、3巻が刊行されるのを待つとします。

 

 

 

 

 

妹さえいればいい。

 

妹さえいればいい。 (ガガガ文庫)

妹さえいればいい。 (ガガガ文庫)

 

 ~あらすじ~

“はがない”の平坂読、最新作が登場!! 


「アマゾンレビューは貴様の日記帳ではない!」
荒ぶる小説家・羽島伊月は、未だ見ぬ究極の妹を創造すべく日夜奮闘する現代のピグマリオンである。彼の周りには、作家やイラストレーターや編集者や税理士など個性的な人々が集まっている。愛も才能もヘビー級、残念系美少女のハイエンド・可児那由多。恋に悩み友情に悩み夢に悩む青春三冠王・白川京。闘志を秘めたイケメン王子、不破春斗。人生ナメてる系天才イラストレーター・ぷりけつ。頼れるけど頼りたくない鬼畜税金セーバー・大野アシュリー。闇を抱えた編集者・土岐健次郎――。
それぞれ迷いや悩みを抱えながらも、ゲームをやったり旅行に行ったりTRPGをやったり、たまには仕事をしたりと、賑やかで楽しい日常を繰り広げる伊月たち。そんな彼らを温かく見守る完璧超人の弟・千尋には、ある重大な秘密があって――。

各界から絶賛の声多数(本当)! 『僕は友達が少ない』の平坂読が放つ、日常ラブコメの到達点にしてライトノベル界の現実を赤裸々に晒す衝撃作。言葉の鋭刃が今、世界と担当編集の胃に穴を穿つ――!!!!

 

 

 

例えるなら、そう、『奇跡的に美味しく出来上がってしまった闇鍋』といったところでしょうか。もうね、カオス。

内容は......内容?

いったい何だっただろうか。うーん、狂人たちの宴ですかね。変態作家がゆかいな仲間たちと作家ライフを謳歌する物語だったはずです。

平坂先生が作家人生の中で体験した、辛いことから楽しいことまでありとあらゆる出来事をまとめてぶち込んだんじゃないかなと思います。最近、ベテラン作家の『ラノベ作家モノ』、多いですよね。

にしても、作家ってこんな刹那的な生き方をしているんですねぇ......。でもすっごく楽しそう。

同期と集まって酒を飲んだり、感情のおもむくままに旅をしたり、『ウミガメのスープ』で遊んだり、TRPGセッションをしたり。

 ある程度長く作家をやっていて、そんな中で見つけた『楽しいこと』を共有したい、そんな思いがあったんじゃないかなーと。

もちろんそれがしっかりエンターテイメントとして成り立ってるというのはさすがです。キャラは個性的でかわいいし、イラストも素晴らしいです。

妹に対する異常なこだわり、メタネタ、やけに詳しいビール描写、下ネタの圧倒的表現力。笑えるネタも随所に仕込まれていて飽きません。

『作中作がすごく面白そう』の法則に漏れず、『ウミガメのスープ』やTRPGセッションがすごく面白そう。セッションの続きはぜひ見たいです!

ということで、僕はかなり楽しめたと思いますが、まあ確かに、人は選ぶかもしれませんね。独特な作品ですので。

 

 

 

 

 

 

 

ロクでなし魔術講師と禁忌教典 (3)

 

ロクでなし魔術講師と禁忌教典 (3) (富士見ファンタジア文庫)

ロクでなし魔術講師と禁忌教典 (3) (富士見ファンタジア文庫)

 

 ~あらすじ~

魔術競技祭後、学修旅行の行き先をクラスに告げたグレンは、男子生徒から神と崇められていた。その理由、ロクでなしを神とまで高めたその旅行先は…リゾートビーチで有名な離島。水着、お泊まり―。グレンに焚きつけられた男達は女子の露わな姿を求め、帝国軍顔負けの作戦を計画し…!?一方、男子を『馬鹿の巣』と揶揄するシスティーナは、ルミアの護衛員・編入生リィエルと仲良くしようとするも…リィエルはそれを拒絶。さらに、その不安定な心に付け入る男が訪れ―。生徒を惑わす闇を払うため、グレンの力が試される!

 

 

大真面目に馬鹿なことをやってるやつらが大好きなんですよね~。カッシュ君好きですよ僕。案外ウェンディあたりとコロッとくっついたり。クラス内恋愛とかしないのかな、あんだけオープンな男子陣と美少女揃いの女子陣なのに!

閑話休題

今回は前半はリィエル転入からのドタバタコメディ、後半は前半にちりばめられた伏線を生かしたシリアス展開、という流れです。

安定感。美しく無駄のないストーリーという印象です。前後編の前編ということで、多少盛り上がりに欠ける面はありますが、気になる引きで後編が楽しみになるお話ですね。にしても、めっちゃいいとこで終わりやがった......。

全体的には十分面白いのですが、気になる点がないこともないです。

一つ!『グレンあんまりロクでなしじゃない問題』!

いやいいことだと思いますけどね!?

1巻の頃の『いざというときにはやるかっこいい先生』にどハマりした身としてはちょっと残念ではあります。丸くなってきたのかな?まあそれでも十分にキャラは立っていると思いますがw 

二つ!『くろね先生シリアス絵にあわなくね?問題』!

可愛い系の絵は本当に崇め奉りたいレベルなんですが、シリアスな絵にちょっと違和感。リィエルの鬼気迫る表情にあまり迫力がなかったり。本編はギャグとシリアスのバランスが取れている分気になってしまうのかもしれません。

とまあ、文句をぶーぶー言ってこいつ何様なんだという感じですが、普通に面白かったです!後編に期待!!

 

 

 

やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。10.5

 

 ~あらすじ~

冬真っ盛りの総武高校。窓の外は寒空ながら、比較的のどかな雰囲気の奉仕部部室。雪乃、結衣、八幡のいつものメンバーのもとに、訪れる何人かの生徒たち。とある男子からのお願い事にげんなりしたり、いろはのわがままに振り回されたり、強行日程の締め切りに追われながら原稿を書いたり…!?今は遠くに感じる将来のことから、誰かと一緒に過ごす休日のこと、部活のこれからのこと…、悩みも苦労もときめきも不安も満載で現在進行中、日常という名のかけがえのない日々。八幡の短くも慌ただしい冬の数日を描く短編集。

 

 

 

こんな、リアルだけどちょっぴいうらやましい学校生活が展開されていたら、そりゃ中高生にウケますよね。

進路とか友達とか部活とか、彼らが悩んでいることがそのまま読者にも当てはまるってパターンが多いんじゃないでしょうか。

もちろん大人の読者の方でも青春の日々を思い出して楽しめるのではないかなと思います。

今回は短編集。切なくて、辛くて、でも楽しくて充実した『理想に近い青春』を1ページずつ切り取って描いていきます。

完全に理想通りかと言われると、そうではないんですけど、最近こいつら結構普通に青春ラブコメしてますし、八幡きれいどころに囲まれてるし、ああもうチクショウうらやましいな......!

まあその分辛い目にもあっています。学校は社会の縮図とよく言いますが、八幡に宿る社畜魂は一体何者なんでしょうか......いや、まず間違いなく渡航先生ですよね。締切と戦ってるとき、かなり本音出てましたよ!大丈夫ですか!

とまあ、いつもの如く辛くなる八幡。これまでなら一人で抱え込んでしまうところだと思うんですが、今回はちょっと違いましたね。しっかり支えてくれる人がいる。八幡も一人相撲するのではなく、人に寄り掛かるようになってきました。初期、たとえば6巻の頃を思うと、かなり"変化"してきているのだなぁと、漠然とそんなことを考えながら読んでいました。

本編に比べると和やかに進んでいきますが、ふと気が付くと真面目になっているのは、ああ、いつもの俺ガイルだなと。この流れが本当に美しくて好きです。

ということで、総括。

いろはすが可愛い。

 

 

 

 

 

クロニクル・レギオン2 王子と獅子王

 

 ~あらすじ~

大英帝国軍の侵攻を橘征継が退けてから3日―依然として駿河に閉じ込められながらも、皇女志緒理と征継は秘かに反撃の機会をうかがっていた。一族秘伝の銘「九郎判官義経」の継承に初音が成功し、戦力を整える征継たちだが、大英帝国軍の黒王子エドワードによって箱根が陥落されたとの報せが入る。さらに、獅子心王の呼び名を持つ伝説の英国王・リチャード一世が増援として皇国日本の地に降り立つ!真紅のレギオンを率いる伝説の大英雄に、未だ記憶の戻らない征継と志緒理の戦略とは!?悠久の時を越え、ついに復活者どうしの戦いが幕を開ける!!幻想と歴史がクロスする覇道戦記、極大スケールの第2巻!!

 

 

「ああ。そして、俺はこれでも――妹萌えに全く抵抗のない男だ」

......征継、めっちゃいいキャラしてますね。今回は妹もエロ儀式の手にかかってしまいました。さて、次はだれが食われるのだろう(ゲス顔)

前回に引き続き駿河周辺を舞台に、レギオン同士の大規模戦闘が繰り広げられます。また、獅子心王リチャードが参戦。大混戦の様相を呈してきました。

正攻法でガンガン突っ込んでくる、血気盛んなリチャードと冷静沈着な征継の戦闘が見どころです。

エクスカリバーVS和泉守兼定』が熱い!

スケールの馬鹿でかい激闘が熱い!

過去の歴史を絡めた世界観、それを生かした策略が面白いです。巻末の用語解説も様々なうんちくが披露されており興味深いですね。

Fateシリーズが好きな人なんかにおすすめしたい作品。Fateそんなに詳しくないのであれですが、結構共通項が多くて、楽しめるのではないかと。

戦闘もりもりですが、もちろん例の儀式もばっちりでした。前回より気持ち多めなサービスシーン、ヒロインの魅力も急上昇!

次回は立夏回ですよね?楽しみです~。